医療サイト発注時の注意点

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格安管理運営費の注意点

管理運営費は5,000円位/月から5万円位/月まで幅があります。サーバーとドメインを付与し、「場所貸しだけ」をする形ならば数千円/月で可能です。多くは月1回~2回の回数限定または文字数制限等の更新サービスで、1万円〜2万円前後が相場のようです。そこにSEO対策費が入ると10万円~20万円くらいになります。本格的にSEO対策を専門業者に依頼する場合、実績のある某著名企業では50万円/月くらいからの費用になります。

管理費低額の場合は情報更新のたびに別料金を請求するなど、依頼の内容に制限をかけて基本作業量の義務を減らしているだけですので、「こうしたい」を実現しようとすると都度費用が発生してしまいます。作業人件費をかけずに顧客に納得していただくために部分的に(疾患説明ブログなど)CMSを使って「出したい情報は自分で掲載してください」という仕組みも多用されているようです。
以下概略ではありますが管理運営の基本的な構図ですのでご参照願います。

格安管理運営費の注意点

データ分析サービスの注意点

グーグルアナリティクスやサーチコンソールという無料アクセスのログ解析ツールは広告運用者にとっては大変便利で高機能なツールです。しかし年々複雑になりデータのどこをどう見て自分のサイトの何が問題なのかを理解することが難しくなっております。そのためこれらのデータを分析したり問題点を指摘したりするサービスが増えてきております。また独自ツールを開発してSEO上の問題点や改善点を指摘するサービスもございます。これらのサービスは分析と改善提案は比較的廉価(分析は無料~、改善提案は10万円程度~)ですが、サイト内への実装は人間の手作業になり、人件費が非常に高額になることが多々ございます。改善実装作業は必ず人手がかかる「労働」ですので、分析が無料でも施行は無料で行ってもらえません。

アナリティクス設定・サーチコンソール設定については当社は初期制作時に無料で行い、運用時の閲覧は先生方に各自でいつでもご覧いただけるようになっております。当社もチェックは行いながら、大きな動きや問題があるときだけ先生方に報告し改善の提案を行っております。しかし浅学寡聞ながら広告運用を行っていない通常のクリニックサイトでは大きな概略を把握されていればまず問題はなく、先生方の体感やレセプトベースの実感の方が改善には役に立つことが多いのが経験上の実感です。

マッチポンプ型の詐欺へのご注意

口コミについて

「悪い口コミを独自技術で消してよい口コミにします。成功報酬です」という業者がいるようです。悪い口コミは大変不愉快ですが、この手の営業に乗るのは危険です。グーグルのガイドライン違反になることはもちろんですが、それ以外にも一度お金を払うとブラックなマーケットにリストが出回り、別のことにでも費用を払うと思われかねません。いかなる技術で悪い口コミを消すことが可能なのかは公開されておりません。グーグルは書いた本人か、グーグル側がガイドライン違反と判断した口コミしか消せないと伝えております。うがった見方をすれば人を雇って悪い口コミを書かせ、その口コミを書かせたクリニックに営業をかけて成功報酬で口コミを消している可能性もゼロではないということです。これらの業者は口コミ総数の少ないクリニックを狙います。少ない口コミ投稿数で平均評価を上下できるからです。逆に言えば良い評価を重ねれば平均点は比較的早く上がってきます。今後大きな社会問題になればグーグルは今後必ずこれらの「システムの悪用」を排除しに動くと思われます。口コミが気になるのは理解いたしますが、どうか安易にこれらの詐欺的な営業にかからないように気を付けてください。ユーザーのリテラシーも徐々に上がってきております。悪い口コミであっても冷静に判断できる人は増えてきています。

SEO対策について

SEO対策についても詐欺的なマッチポンプ型の業者が以前は多数見受けられました。顧客に知識がないことをいいことに、いったんSEO対策を施しその後わざわざそのキーワードをタグや構造からはずして順位を下げ、クリニック側に「順位を上げるのは追加料金がかかります」というものです。専門家でもなければ毎日チェックするわけでもなく言いなりになるしかないようです。昨今のSEO対策のルール変更により安直な順位上昇ができなくなってきたためだいぶこの手の詐欺的な業者が減ったようですが、SEO対策も口コミも簡単にお金で買える商品ではないことをご理解いただき、目先のメリットに惑わされないほうが懸命だとは思います。

コーポレートメールは必要か

サイトドメインと同じメールアドレスをお求めになる方がまだいらっしゃいますが、できればGmailをご利用いただいた方がよいと思います。当社ではご希望があればコーポレートメールも発行いたしますが、セキュリティ、利便性、拡張性、将来性あらゆる点でGmailに勝るものは今のところ見当たらないと考えております。 コーポレートメールの方がスパムメールに悩まされることが少ないという誤解があるようです。しかしスパムメールはメールアドレスのパスワードを突破しているわけではございません。不特定多数のメールアドレスに送り付け、メール中のリンクを踏んだり、添付ファイルを開くことでウィルスに感染させるものです。Gmailであってもコーポレートメールであってもメールアドレスが不届者のリストに乗ればスパムメールは来てしまいます。しかしこれらを排除する仕組みやスピードなどにおいてグーグルは最も進んでいると思われます。

独自メールであればサーバーを用意しセキュリティをご自身や管理者が行わねばなりません。費用も発生します。私たち業者に費用を払うのであればグーグルの有料サービスで@gmail.comの代わりに、@****clinic.comなどとすることも可能です。世界標準はすでにGmailといっても過言ではありませんし、日本のグローバル企業もコーポレートメールをGmailにしている企業(ANA,ユニクロなど)が多数ございます。経験上ご高齢の方の場合、「WEBメールよりもコーポレートメールの方が格上」のような誤解が残っているようですが2021年現在すでにそのような認識は変えられてもよいかと思われます。

リース契約の危険性

税金対策上リース契約で・・・・・・というアドバイスがかつてありました。現在はほとんど耳にしませんのでここに記載するほどではないかもしれませんが一応・・・。基本的にリース期間は4年から5年です。Web社会ではかるか未来です。その間ホームページを新規に別の会社で作り直したり、管理運営をもっとコストのかからない会社に変えたり、なにかしたくてもリースは途中解約ができません。制作会社が倒産して、管理運営ができなくなっても支払い義務は残ります。支払いを辞めればホームページを取り上げられることになります。貴院のホームページの所有権はリース会社にあるからです。どのような会社に依頼するにしてもリースだけは避けたほうが賢明です。

ロックオンの危険性

デジタルの世界には様々な言語、フォーマット、基準が存在します。大手ITゼネコンなどは各種システムからWEBサイト、メールシステムまで一括で「自社の独自開発サービス」を勧めることがございます。その際、「ある時点で機能性は高いが将来的に世界での汎用性のわからない」ものを構築されることがあります。卑近な例では金融機関等のシステムでは今でもIE(インターネットエクスプローラー)という古いブラウザでしか使えないシステムがあります。マイクロソフトがIEの使用中止を勧告し、セキュリティパッチ配布などのアフターフォローも中止するとなっておりますが、システムの入れ替えには莫大な費用が掛かるためIE依存のシステムが今も残っています。

また各種IT系セミナーやWEB上の広告などでは、「最新」技術を売りにした商品やサービスが多数ございます。これらは本当に利便性にすぐれる部分もありますし、費用対効果も高いこともあります。しかし数年後にWEBの世界で生き残るものがどれだけあるかわかりません。

その瞬間の機能性の高さや、最新に飛びついて、何も問題がなければいいのですが、依存性の高いものは進化とともに使えなくなる可能性もあります。そうなるとすべて作り直さなくてはいけません。蓄積したものを利用できず作り直すコストは膨大になります。

そのためどれほど今の依頼先に不満があっても付き合わなくてはなりません。これが「ロックオン」されている状態です。こうなると顧客満足度を下げても顧客は離れられないので、利益を上げるために企業側はサービスコストを下げてきます。

「地域密着型」の注意点

ホームページ制作の要は「打合せ」です。そのためこれまでは制作業者の「活動地域は限定」され、その分、「制作業種は多岐」にわたる業者が多数でした。(九州の業者が北海道のパン屋さんのサイト制作のために何度も打合せをすることはこれまでは難しかったと思います)今も多くはその形態です。この形だと、業種ごとに求められる機能や使い勝手がまったく違うために毎回かなり綿密な打合せが必要になってきます。「地元企業のサイト実績多数」「医療機関も経験有」という会社は多いと思いますが、業種特化していない分、必要以上に手間と時間がかかり、先生方が求めることをご理解いただくために時間を要するかもしれません。(「経鼻内視鏡」がSEOワードにふさわしいかどうか、どのように言い換えたらいいのか、一般の会社には難しいかもしれません)

「専門特化型」への注意点

医療機関専門の制作会社で多くの実績を持ち、全国展開している会社の多くは、数百種の「テンプレート」販売が主流ですが、地域密着型制作会社より比較的廉価で制作が可能です。料金制度を何段階かに分け、安いコースで制作し、その後不満が出れば、高額な契約へリニューアルを勧める会社もあるようです。これら医療機関専門で多くの実績を持つ会社のセミオーダーメイドでは内容の出来不出来の差がみられます。実績数が多い程、外注下請けを多く使用することになっていき、この外注先の当たり外れが貴院のホームページの出来不出来に直結することもございます。外注を使うことが悪いのではなく、担当ディレクターの労働密度に外注を管理できるだけの時間的予算的余裕があるかどうかにかかっていると思われます。

高品質とは何か

「高品質なホームページ」というキャッチコピーをよく目にしますが、「高品質とは何か」という定義はそれぞれ異なるかと思います。多くは「患者にとって見た目がきれい、クリニックのイメージが良くなる」ということをイメージしてのうたい文句なのかもしれませんが、見栄えが良い=集患とは限りません。患者様が医療機関を選ぶまでは以下のように頭が働き、心が動くといわれています。

探す→見つける→比べる→考える→決める→動く

それぞれのどこに力を入れるかはクリニックと制作者次第です。ある1点をもって「高品質」を掲げる場合、その1点以外の部分には多額な追加費用が発生することもあるようです。先生方のホームページ作成の目的は何か、そのためにはどこに注力していけばよいのか、丁寧に考えサイトに落とし込むことが本来の高品質という意味になるのかもしれません。

高品質とは何か