院の特徴をデザイン化

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ワンストップサービスのリスク

クリニック経営では「デザイン」の必要とされるものが多々ございます。
ロゴマーク、WEBサイト、外観看板(立て看板、駅看板)、診察券、パンフレット...
これら個々制作発注のわずらわしさから、一括でお願いできるワンストップサービスを求められることもございますが、可能であればWEBサイトの制作とその他のデザイン物とは依頼先を分散された方がリスクは減ると思います。
WEBサイトは日々担当者とのやり取りが発生します。サイト制作会社を変更したいとご希望された時に、他のすべての印刷物や診察券などを発注されているとWEBサイトのリニューアルを躊躇され機会損失を招くかもしれません。

  • 看板類 --- 建築・内装業者様の紹介など地元業者様で発注。地域内へ根付く口コミの一つと考える。
  • 診察券 --- 電子カルテ、予約システム等との連動を考慮しシステム決定まではアスクルなど簡易的なもので十分と考える。
  • リーフレット・パンフレット --- ネットでのパンフ専業業者様が激安。ロゴとサイトデザインに連動可能。
  • ロゴ・WEBサイト --- 医療専門の制作会社

おそらくこのくらいの分散が後々のリスクは減らせるような気がいたします。 デジタルサービスのスピードはとてつもなく早いものです。遠隔医療、予約システム、AI問診、様々なサービスがあり、あとから出たものが大概は安くて機能性が向上しています。開業時にすべてをまとめておかないことも一つの考え方かと思います。

患者様視点での
デザインとは

クリニックのホームページは「痛い」「つらい」「苦しい」人が見に来ます。お買い物に来るわけではありません。かっこいいデザインより大事なことがあります。貴院を知りたいと望んできた患者様に、何秒もかけて動画映像を見せることにあまり意味は見出せません。海や空、木々の写真を見せられても患者様の心には何も刺さりません。画像の力を活かすためには診療方針や、患者層、医師の哲学などと意味付けを考え、画と文字でひとつの「情報」にします。

逆に上下左右に情報をつめこんだトップページには生理的な読みにくさを覚えます。SEO対策に有効であるため、CMS(自主更新=ブログ型)サイトで、下層ページへの内部リンクだらけになっているホームページは、いくら検索上位に出ても見づらい・使いづらいという理由で来院実需につながりにくく機会損失を招きかねないと当社では考えています。

患者様が知りたいことと、先生が見せたいこと

当初のご希望やリニューアル前 現在のトップ画像イメージ
Supria Advance FR

院内でCTスキャン検査対応

埼玉県上尾市 榎本医院

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世代を超えて地域医療に取り組むイメージ

賛育会病院産科 外観

病院の外観で規模をアピール

東京都墨田区 賛育会病院産科

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出産の温かさと安心感のイメージ

武蔵野眼科院長

やさしい一般眼科

東京都三鷹市 眼科 武蔵野眼科

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技術力の高さで近隣と差別化

フリー素材の医療従事者集合イメージ

フリー素材の医療従事者集合イメージ

東京都中央区 丸の内クリニック

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立地場所と院内の清潔感

話し合いを重ねる中で「患者様が知りたいこと」「院のアピールになること」を決めさせていただきます。絶対的な正解はございません。最後は考え方と趣味の問題もございます。決定に至る前にどれだけ院の目指す方向や患者層など細かくお伺いできるかが「看板」と言えるトップの画像(MV=メインビジュアル)の決定には必要だと思います。

患者様は画面を読まず、眺めます

役に立つと「感じ」たら読み始めます。その間約2秒。しかも患者様のPC画面の大きさに映る範囲の内容で勝負しなくてはいけません。モニタ画面はA4ノートPCを基準に、解像度は5年くらい先までは見据え横幅や画像サイズを考えます。現在グーグルはモバイルインデックスファーストという仕組みになり、スマホ閲覧を基本として検索エンジンのランキングを決めますが、都市部ビル診療での非居住者需要でない限り、PC画面のファーストビューは(一番最初に見える画面)大切なポイントです。

軽微な疾患以外は、自分の健康不安を解消させるのにふさわしい医師をPCで検索する需要は多く、再診に繋がり管理加算の入るような診療科目では、まだPCサイトのメイン画像は院からのメッセージとして大切に考えないといけないと思います。

クリニックごとに
異なるレイアウトの正解

医療サイトでのレイアウトを含めたデザインは広告の理屈に裏付けられた、生理的な気持ちよさの追求です。 例えばファーロのこのサイト内の各ページは通常のサイト制作セオリーよりは挿絵のようなイメージ写真を若干減らして、原稿を一連の流れで読んでいただけるように作っております。ユーザーは「医師」または医療関係のインテリゲンチャであり、論文や硬質な文章を読みなれており、「画」のイメージで頭を休めることより思考を無駄に切られる方が不愉快であろうと考えるからです。文字だらけで読みにくいものは論外ですが、「写真さえあればいい」「ユーザーは文字を読まない」と決めてかかるのは早計かと思われます。クリニックの特徴と個性によって伝えるべき気持ちよさも変わります。優先順位が大切になります。診療時間や交通案内が常に最優先とは限りません。患者層によってはページの下の方にあっても十分機能します。

<例>

すべては制作者が先生との打ち合わせから、このクリニックでは何が売りになり、患者様は何を求めるかを考えることが大切です。

SEO中心のデザイン・レイアウトとは

人が読みやすいと感じる生理的な気持ちよさをグーグルが判定するとしたら...それがSEO対策の柱の一つである「構造」を中心に考えられたレイアウトデザインです。

ページ内の文章構造を大見出し、中見出し、小見出し、と分けて作成することが望ましいとされます。小見出しはたくさん作り一つのパラグラフの文字数を減らすことも視認性を高めるために必要といわれます。さらにこれらの見出しをまとめてページ上部に「目次」として記載しユーザーが見た瞬間に自分の必要な情報へ飛べるように設置します。原稿の最後には関連する情報を記載したページへのリンクをテキストで設置します。
内部リンクによる回遊性を上げ、グーグルのクローラーが回りやすくし、インデックスしてもらい、関連する情報の多いサイトと判断されるようにする...昨今多いCMSを利用したブログ型の記事中心のサイトで多く見かけるのではないでしょうか。

SEO対策の施されたWEBサイトとして最適解のひとつです。SEO対策の会社に依頼するとほとんどこの形式で提案されることになるようです。ファーロもこのような形式を用いて作成する部分もございます。しかし...

SEO中心思考のリスク

このSEO対策としての正解「だけ」を追い続けると、「構造は正しい」「情報も多い」でも、文章が細切れで、代名詞を使わずキーワードの名詞が不自然に多く読みづらくなる、そこで少しでも視認性を高めるために図版率を上げようとしてテキストリンクに写真を入れた「カードバナー」が氾濫し、版面率を下げるために余白の多い画面レイアウトにする、そのことでますます「一連の流れで文章を深く読み、理解し、知識を得る」ことが難しくなる...ということも出てきます。

患者様の最大公約数を追求し、費用対効果を追求した一つの形であり、2021年現在のひとつの正解とも言えます。しかしユーザーを追いかけて構造を作っているつもりがいつの間にかグーグルを追いかけて、ユーザーの役に立つための情報サイトという立ち位置からずれていることになりかねないとも考えます。

かつての外食産業で店舗設計、客席配置、誰からも嫌われない料理、より多くのお客様をさばけるオペレーションシステムで経済合理性の最大化追求という最適解を実行できていながら、時代の趨勢によってお客様の志向が変わり変化を余儀なくされていることに似ているかもしれません。グーグルも常に進化しています。この構造理解の仕組みもユーザーがいつか生理的に「NO」を突き付ければグーグルは別のルールを作りユーザーを追いかけます。そうなったときにはまたWEBサイトもリニューアルするということになります。制作会社はうれしいかもしれませんが最初から患者様だけを追いかけていれば避けられる出費になるかもしれません。

グーグルが後から追いついてくることも

作成から3年くらいどうしても検索上位に出ず、流入量も一定数以上伸びなかったサイトがその後のグーグルのアルゴリズム変更で大きく順位を延ばし流入量が増えることがございます。これらのほとんどがページ滞在時間の長い傾向のあるサイトです。アルゴリズム上何らかの理由で順位に反映されてこなかったが、グーグルの進化でユーザーに役立つサイトと理解してもらえたというケースだと思います。これらのサイトの先生方からはほとんど叱られることはございませんでした。実需としての新患が減少していないからです。マーケティング用語でいえば流入量が少なくてもコンバージョン率が高いということです(物販と違い買い物かごなどはありませんのでサイト上のコンバージョン設定は行っておりません)。

ファーロが自由診療中心のサイト作成をご辞退申し上げ、マーケティングツールとしての機能価値だけをサイトに求められる先生のご依頼を辞退するのは、半年や1年程度では評価が難しいからです。そのためファーロでは四半期ベースでPDCA (計画・実行・評価・改善)レポートを提出するような作業はできません。

「たかがホームページ」くらいのお考えで十分です

このサイト内各所で何度も繰り返しておりますが、正解はわかりません。正解が常に変化します。毎年ルールの変わるスポーツのようなイメージをお持ちいただければよろしいのではないでしょうか。


WEBサイトによるデジタルマーケティングは魔法でもありません。私たちも先生方からお叱りを受け修正を重ねることもあります。答えがないからこそ私たちはたとえ先生と意見が衝突しても、患者様にとって役に立つ読みやすいホームページとは何かを考えます。


最後はそれがグーグルに理解され当社の顧客満足になると思うからです。
何年かのち、「されどホームページ」だったとなることがファーロの目標です。

院内パンフレット(リーフレット)もほぼ必要ないと考えます

院内パンフレットも今はほとんど必要ないと言えますが、以下のようなケースではおつくりすることもございます。

  • 在宅医療や透析医療など基幹病院の地域医療連携室においてもらえる可能性がある場合
  • 健診専門医療機関など企業総務担当者への営業が必要な場合
  • 繁華街や人通りの多い場所で路上看板にパンフを載せることが可能な場合
  • 来院動機以外の特殊な診療を外来の待ち時間に読んでもらいたい場合

いずれにせよ、今はWEBサイト、またはSNSで十分代用可能なものです。「開業に必要」であったのは10年前くらいまでだと思います。都度作り直しが難しいものにあえてお金をかけるだけの価値があるかどうか・・・ファーロではあまりお勧めはしておりません。

それでもパンフレットを作るとしたら

サイトデザインと連動したA4・3つ折サイズのパンフレット(リーフレット)を作成します。

大きいものは女性が手にとってハンドバックに入れてお持ち帰りくださいません。A4三つ折サイズのパンフレット(リーフレット)が最適だと考えます。新聞チラシのようなぺらぺらの紙ではユーザーが保存してくれません。ある程度厚みのある、写真等の発色をきれいに再現するにはマットコートやトップコート、アートコートなどで135キロといわれる紙質から上のものがよいと思われます。何万枚も刷るのでなければ紙質はなるべく良いものを使うほうがよいと思います。数千円の違いで高級感がかなり異なります。

ご開業時などにパンフレット(リーフレット)は院内用に作成されるのであれば、そのまま新聞折込にも活用されるとよいかもしれませんスーパーのチラシのような薄い紙では見て捨てられますが、折り目のついたリーフレットであれば医療機関を探している方であれば保存しておいてくれる可能性も高まります。
『内見会のお知らせ』『透析治療開始』『総合健診センターオープン』など新聞折込可能な宣伝内容は多少ございます。(地域の医師会によって基準は異なるようです)いったんパンフレットデザインを作成しておけば新聞折込でも院内用のものの流用ですのでデザインコストはかからず、印刷コストだけで済みます。
ただし、今は費用をかけるよりもインスタグラムで院公式アカウントをおつくりいただきパンフに載せられるような写真を掲載する方が若年層には有効です。