クリニック・医療専門内部SEO対策

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クリニック医療サイトにグーグルが求めているものとは

グーグル誕生以来答えは変わっていません。患者様の役に立ち、使いやすいホームページです。
「何が役に立ち、使いやすさとはどういうものか」をグーグルが検索エンジンに理解させる力を進歩させてきたことでSEO対策の方法論が変わってきましたがグーグルが求めていることは変わっていません。

どんなクリニック医療内容もページ上に原稿という形で表現をしないと伝わらず、「来てもらえればわかるから」といわれても情報が少なければグーグルは役立たないページ(サイト)と判断してしまいます。医療は法律で「表現」に制限が多く差別化が難しいから、「作り方」という技術=方法論にお金を払ってグーグルに評価をしてもらえればいいという考え方が以前の医療サイトのSEO対策として見受けられました。

SEO (Search Engine Optimization) とは「検索エンジン最適化」の略語で、ホームページを検索エンジンに好まれるサイト構造にすることで主にキーワード検索時の表示順位を上位にすることを言います。昨今かなり一般名詞化し誰もが使う言葉になりましたが、SEOの具体的内容自体は大きく変化してきておりますので注意が必要です。古いSEOの常識は今では行ってはいけないことも多数ございます。

グーグルの理念

ユーザーにとって役立つ情報(WEBサイト)を上位に表示させる
以前のSEO(キーワード最適化)

単純定量化できる技術をエンジンが判断

  • キーワードの数や使い方
  • タグ(見出し)の使い方
  • 他者認知数(外部からのリンク数)
現在のSEO(ニーズ最適化)

エンジンはユーザーニーズを理解して判断

  • サイトの信頼性、専門性、権威性
  • サイト構造をエンジンが理解しやすいか
  • どんな他者認知を受けているのか内容精査

グーグルを追わない、ユーザー(患者様)を追う

今ではある程度の技術上の指標はグーグルサーチコンソールという道具が自動的に判断して「ここを改善してください」というエラー表示まで行ってくれます(あまり正確とは言い切れませんが・・・)。
グーグルは、「技術上の些末な競争はやめてユーザーにとってよりよい情報の提供に時間を使ってください」というメッセージを発しています。今の検索エンジンが決してユーザーの検索ニーズを完璧に理解しているわけではありませんが、日々ものすごいスピードで進化し続けています。
細かいアルゴリズムのバージョンアップは年数十回以上、大きなアップデートが平均的に年3回程度といわれております。それはグーグルがSEO対策だけ正しくても内容の伴わないサイトを今後も排除し続けますという明確なメッセージです。

わかりやすい例でいうと、「駅前」というキーワードがどれほど多く入っていても、実際に駅から遠ければ駅前のキーワードで上位にはできず(他の要素も多く絡むので出ることもあります)、駅名も地名もタグに入っていなくても、実際に駅前であれば、グーグルマップを読まれて関連キーワードで表示されることもあります。羊頭狗肉なサイトは排除され、より本質的に「役に立つ」サイトが評価される時代になっています。

E-A-T評価とは

しかし、エンジンは医療の内容にまで踏み込んでの正誤の判定はできないため、情報提供者(記事執筆者)の権威性や専門性を記載内容への判断材料にします。これがE-A-T評価といわれるものです。
Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字をとったもので、Webサイトを評価する大きな要素として、Googleが公開 する検索 品質評価ガイドラインで定 義されています。スコアではなく概念であり、数値ではないとグーグルは公式 に伝えています。
E-A-T評価は原稿執筆者についてだけの評価ではございません。

院までたどり着くことは容易か、診察時間は正確か、グーグルマイビジネス(固有名詞検索時に検索表示の右に出てくる院の概要)の内容と齟齬がないか、ユーザーが容易にサイト内を回遊できるか、内部リンクは適切に設置されているか、口コミの内容はどうか、モバイルでの表示は見やすいか、早いスピードで表示されるか、などなど多岐にわたる評価を受けることになり、これらが「定量化できる数値ではない総合評価」とされています。この定量化しきれない基準の難しさから、「**万円で上位にします」のような宣伝をSEO専業者様がおこなうことがかなり難しくなってきております。

当社制作サイトでは2010年以前に制作し、技術的にもデザイン的にも現在では相当時代遅れなホームページがございます。おそらくSEO対策の専門業者様からは改善施策が山ほど提示されることでしょう。一刻も早くリニューアルしグーグルの求めるユーザービリティにしなくてはならないサイトであることは承知しておりますが、主なキーワードで2021年現在上位表示を維持し続けています。
整理された情報がページ滞在時間を延ばし、院長の経歴や実績が過不足なく提示され、クリニックの理念が明示され、院長の人柄が良い口コミを集め、多くの医療機関や関係サイトからリンクを得ているからだと推察しています。「グーグルを追うな、ユーザーを追え」というグーグルの理念のひとつの証左であろうと考えております。

クリニックは比較検討される

患者様の医療機関選択の検索では、検索上位にあるからと言って一つのクリニックの情報だけで訪院先を決める人は少なく「複数の内容比較」をされます。
クリニックは検索表示ページの上位10位以内に表示されれば十分に比較検討の対象になります。「表示1位のクリック率は非常に高く、順位が下がるとどんどん半減以下でクリック率は下がるので、より上位を目指しましょう」というのはデータの示す事実の一面と考えております。
飲食や物販などのサイト、自由診療でのウォンツ需要喚起 、大規模医療法人展開、都市部のビル診療での非居住者需要では正解かもしれませんが、当社の制作する小規模医療サイトでは異なる考え方をしています。

キーボードの画像

もし地域の開業クリニックで、ある一時期1位になり、月間10万のアクセスがあり、1%の新患につながり・・・1000人の新規 患者様が発生したとします。待ち時間を解消しようと医 院規模を拡大するために場所を移転し、スタッフを雇用し、非常勤医師に来てもらい、機材をそろえ、その後ある時グーグルがルールを変更し、いきなりアクセス減少になったら・・・グーグルを追うことの悲劇 です。マーケティング会社は責任をとれません。1位をとるための追加のSEO施策にかけなくてはならない費用は相当な金額になるかと思います。だめなら「広告を打ちましょう」ということになります。
比較検討された際に選ばれる内容になれば、無理に1位を取りに行く必要はございません。先生の得意な分野 、診たい疾患の患者様に信頼してもらうことの方が大切だと考えています。

複合キーワード検索

ファーロは「診療科+地域名」での順位だけを追いかけているわけではありません。結果として2語検索で9割以上のサイトが10位以内になりましたが、本当の再診実需につながるのは3語検索と考えています。3語検索はモチベーションの高い検索です。従来は「文字を打つ」のに手間がかかり2語検索で表示されたものから選ぶことが多く見受けられましたが、音声検索ができて以降3語検索は苦痛ではなくなりました。また、30代~40代より若年層ではスマホ検索がメインになり、文字を打つことへのハードルも大きく下がっております。

住むためのマンションを探される人が「マンション」と検索することはありません。「地域名+マンション」で探される方はいるでしょう。その際は不動産サイトへたどり着きそこで詳しく検索されるかもしれません。モチベーションが高くなれば「地域名+マンション+α」でαの部分にご自身の要望を入れてくるのではないでしょうか。 音声検索の発展以降、「診療科+地域名+(専門、実績、評判、診療内容など)」3語以上のキーワードでの検索もグーグルは想定しています。そこで上位に表示され、他と比較検討され、クリニックの魅力が伝わることが、リサーチ需要での見せかけのアクセス数ではなく、実需に直結する、息が長くグーグルのルール変更に右往左往しないで余計な広告費をかけなくてすむSEO対策と考えられます。

内部の適正化

「診療科目+地域名(駅名)」での順位だけでは従来の立地や診療時間による来院動機の患者様で、再診需要はなかなか喚起できません。単純に『地域名+診療科目』で表示順位を争っていてもアクセス数には限界があり、また、『地域名+診療科目』以外のもう少し突っ込んだキーワードで検索する患者様のほうが、サイトの滞在時間も平均ページビュー数も多いデータが出ています。
医療機関にとってのSEO対策は単純なアクセスの増加ではなく、サイト滞在時間の長い患者様をたくさん作ることです。じっくりとページを読む患者様はまず外来診療につながってきます。保険診療はウオンツではなく、ニーズです。ホームページに長く滞在する患者様は高い確率で来院につながります。グーグルが長年求めているサイト品質も同様の考え方です。地域性の強いキーワードと、患者の医療ニーズ、診療科特性に合ったキーワード選択を大切に考えています。

携帯の画像

地域名でのSEOの限界

いまやグーグルマップの入っていないサイトはほとんどないことでしょう。それは地域名の記載 がなくても該当地域に存在することを検索エンジンは理解してくれていることになります。一方で検索エンジンが「ユーザーが探している地域だ」と認識しなければそれが本当の所在地であっても表示してもらえないということにもなります。

具体的な例でいうと「横浜市産婦人科」で上位に出したいと、横浜中心部まで電車で30分以上かかる地域(住所は横浜市)のクリニック様に言われても2021年のグーグルではかなり困難かと思われます。現在は横浜駅近辺(徒歩10分以内)の産婦人科様が上位5件に出されています(広告を除く)。
横浜市の人口380万人、鉄道駅数で137駅(2018年)です。これだけの人にとって「横浜」というキーワードを使う際に意味する場所は広く様々になるため、検索エンジンはこの場合の検索の意味を自動的に「横浜=横浜駅」と認識しています。当社クライアント様(堀病院様)は横浜駅から急行で6駅19分の距離です。2018年までは1位から3位以内に安定的に推移しておりましたが、現在「横浜市産婦人科」でおおむね6位前後です。
おそらく今後も「横浜市産婦人科」でこれ以上の上位に出すことは難しいかと思いますが、初期制作時よりご理解はいただいております。

グーグルは何を目指し、どういう現状なのか、今後どういうことがあり得るのか、その際クリニックの目的を達成するためにはどんな手段があり得るのか、その際の費用はどうなるのか、そういうことを初期制作時にあらかじめ可能な限りご説明申し上げ、ご理解を得てからの受注でないと、先生方に過剰な期待を頂かせてしまい後々のトラブルになりかねないと考えております。
「地域名+診療科目」で検索上位に出すことだけを必須目的にされている場合は当社では受注をご辞退させていただくこともございます。

地域情報ポータル

インターネット版の地域のタウン誌や情報誌が無数に存在し、これらの地域情報サイトの持つ力は侮れません。地域情報サイトでの「口コミ」情報は患者様たちの生の声であり、多くの人の本音で成立しているという建前になっています。
被リンクの質をグーグルは精査するといわれてから「医療」への専門性も権威性も信頼性も関係ない地域ミニコミポータルなどは意味がないと考えるSEO専門家の方もおられますが、当社では別の考え方をしております。3語検索を中心に考えたときに「医療」だけではなく地域へ根付いていることの証明は「地域名」への信頼や権威、専門性などをグーグルに理解してもらうために必要な手段の一つと考えております。

(注)厚労省が2023年をめどに国主導での医療ポータルの開発を考えているというニュースが出ました。淘汰も始まります。ウォッチし続けることが大切かと思います。